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苫小牧泌尿器科・循環器内科
林 謙治 院長
前立腺の病気には、50歳以上の5人に一人の割合で排尿障害を伴う前立腺肥大症がまずあります。 しかし近年自覚症状の少ない前立腺癌が増加傾向にあり、 アメリカでは死亡原因の第二位で男性の癌の発症率では第一位とされています。 日本においては高脂肪の肉類や乳製品など食生活の欧米化がすすみ、 それが前立腺癌の増加原因のひとつと考えられています。 またこの癌は高齢者に多く人口の高齢化やPSA検査(血液検査:前立腺癌特異抗原)の普及によって 発見される確率が高くなったことも一因としてあげられ、 50歳以上の80人に一人の割合で発見されるようになっています。 PSA検査は一般検診には含まれませんが、 1mlほどの血液で検査が可能で通常の血液検査とあわせて行えます。 癌の早期発見に有用な前立腺特異抗原の数値を調べることで自覚症状がなくても検査数値で癌をスクリーニングすることができます。
当院では2003年から追分町(当時:現在安平町)と協力してPSA検査による前立腺癌検診を行い早期発見に積極的に取り組んでいます。 検診では早期発見の確率が高くPSA陽性例のうち約6割で癌が見つかっています。 一方排尿障害などを訴える外来患者さんの場合には早期がんは約4割、進行がんは約6割発見されています。
前立腺癌は早期の場合前立腺の摘出術や放射線治療でほぼ100%近く完治します。 治療法は患者の年齢や内科的合併症により決められますが、 治療効果に大きな違いがないため、 侵襲の高い手術よりも放射線治療を希望する患者さんが増えており、 半々くらいの割合になってきています。 さらに最近では開腹によらない腹腔鏡による前立腺の摘出術が、 大学病院など手術症例の多い施設で経験豊富な医師によって行われ始めています。 また放射線治療もこれまでの外照射治療という骨盤の前立腺部分に照射する方法に加え、 あらたに前立腺内から照射する小線源治療という内照射治療法が大学病院などで導入されつつあります。 外照射では週5日一ヵ月半近くの治療が必要でしたが 小線源療法は線源を前立腺に挿入し留置する療法で1回の治療で済みます。 摘出術と違い勃起障害や尿失禁が起こる確率も非常に低いという利点もあります。 ただ癌が進行して前立腺から膀胱へ浸潤していたり、 すでに骨に転移した場合には、主にホルモン療法による治療となります。 前立腺癌が男性ホルモンに依存する癌のため女性ホルモンによって腫瘍自体を縮小させる方法です。 しかし必ずしも薬が効かない場合もあり、やはり早期発見・早期治療が重要です。 早期発見により完治する確率が高いので、 50歳を過ぎた男性は年に1回PSA検査を受けることをお勧めします。
最後に少しでもおしっこが近いと感じた時、 ほとんどは前立腺肥大症である場合が多いのですが、 そのなかの数%は癌の場合もあるので市販薬などで済ませず、 専門医を受診するようにしましょう。
苫小牧市明野新町2丁目1-12
林 謙治 院長
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