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北海道に憧れ、北海道を愛し、しっかりとたくましく北海道に根を下ろしている人々のドキュメンタリー。
第三回は、小樽のオルゴール仕掛人、オルゴール海鳴楼の女性創業者である塚原ふさ子さんのストーリーです。
歴史的建造物が佇む港まち小樽。まち全体がノスタルジックな魅力に溢れています。 そんな小樽観光には欠かせないオルゴール。
日本初オルゴール事業の開拓者塚原さんは、小樽から発信するオルゴールが、 「北海道と言えば・・・、日本と言えば・・・オルゴール」と認識してもらえる日が来るよう、 フィールドをアジア圏へと広げることに力を注いでいます。
再生にはQuickTimeが必要です。
東京で暮らしていた塚原さんが夫の故郷へ移り住むことになったのは、夫の両親と同居するためだった。
古き良き街並と面影が今も残る小樽は、人々を魅了し、常に観光客が絶えない。 だが、裏をかえせば、小樽はとり残された街にすぎなかった。 近代化の波が押しよせた時、改修する予算がなく、古びたまま街並が残された。 そのまま衰退してしまう可能性は大きかった。しかし、それを逆手にとって観光として盛り上げた。だからこそ街全体がテーマパーク。 塚原さんは小樽を愛する人々の発想こそが文化の根源ではないかと感じた。
「ここへ来てくださる方にその良さを伝えたい」と、迷いもなく観光の仕事を選び、 ガラス製品会社へと入社した。そして、仕事を続けていくうちに、ガラスの冷たい美しさ、光の煌めき、 これに何かもうひとつ魅力が加わることで、もっと小樽らしさを感じてもらうことができないかと考えるようになっていった。
小樽の文化を広げることに夢中になっていたそんなある日。 誕生日を迎えた塚原さんは、夫からその後の人生を捧げるほど魅せられるものをプレゼントされることになる。
それは、オルゴールだった。
「なんてロマンチックな人なんだろう」
純粋な嬉しさと喜びが塚原さんの心を満たした。 数ある選択肢の中からオルゴールを選んでくれた夫を改めて愛おしく思った。 そして、どんなアクセサリーやブランド品よりもオルゴールをプレゼントされることの方が 何倍も嬉しい。そんな風に思う自分がいた。
プレゼントの曲は"埴生の宿"。 夫になぜこの曲を選んだのか問いかけると 「素敵な箱と音色の良さを選んだら、曲は選べなかった」と言った。 オルゴールの贈り物がこんなにも嬉しいのは、この懐しい音色に何かメッセージか込められているような気がするからだろう。 言葉では表せないメッセージをオルゴールにのせて贈る・・・そんな時、好きな曲を選べるお店があったら・・・
その後、オルゴールは200年も続いている商品だということを知った。 音楽で文化を語り、長く人々に愛され続けているものは少ない。 調べてみると、小樽とオルゴールの全盛期は同時期。 歴史背景が重なるからこそ、小樽の街並とその懐かしい音色はぴったり合うのではないかと感じ、 ますますオルゴールに魅せられていった。 こうして、探していた小樽の新しい魅力と、オルゴールがつながった。
この塚原さんの発想を元に、店舗設営、仕入れ、販売、全てが塚原さんに任せられ、日本初のオルゴール専門店としてオルゴール堂が設立された。 オルゴールのエキゾチックさはすぐに観光客に受け入れられ、オルゴール堂は成功をおさめていた。
しかし、塚原さんには引っ掛かるものがあった。観光のついでに買い求めるだけでは、造作の美しさだけにとらわれたおみやげになってしまう。
オルゴールは自動演奏再生装置の原点。オルゴール本来の良さは、その音色にある。
「オルゴールの音色は人の気持ちを代弁するもの」
夫から日頃の感謝の気持ちが込められたオルゴールをプレゼントされた時の喜びをかみしめた時、塚原さんは会社を辞め独立することを決意した。
小樽運河に面し、どっしりと佇む洋館と石造倉庫。 ここに、塚原さんの経営するオルゴール海鳴楼がある。 店内はオルゴールの優しい音色にあふれている。
人それぞれ思い出の中に、必ず音楽がある。 海鳴楼が愛のメッセンジャーでありたい・・・。
自らのコンセプトに沿って、 性別や年代によって多様なメッセージに応えるため、曲の充実には特に力を入れている。 その上で、メッセージに彩りを加える工夫も忘れない。 “メッセージ 愛のテディベア”の開発や、オルゴール手作り工房など、「伝えること」の新しい演出を常に提案し続けている。 そして、オルゴールへの想いと、あたたかな音色をこれからも届け、奏でて行く。
小樽観光のイメージリーダーとして新たな小樽の魅力づくりを提案・模索しながら、これからも海鳴楼の成長と共に歩む塚原さん。 来年の3月には塚原さんがあたためている企画が初声を上げる予定。
「今、伝えたい想いがある・・・」それなら海鳴楼に足を運んでみてはいかがでしょう? 言葉では語りつくせないメッセージが見つかるかもしれません。 そして、あなたが創る『愛』のストーリーがはじまる・・・。