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北海道開拓TODAY:CASE04〜株式会社 加藤粉体技術研究所

北海道に憧れ、北海道を愛し、しっかりとたくましく北海道に根を下ろしている人々のドキュメンタリー。

第四回は、日本で初めて米をパンに加工する事に成功した、
(株) 加藤粉体技術研究所 代表取締役 加藤進さんにスポットをあてました。

「自分の力だけではなく、周囲の協力、理解、繋がりがあってこそ研究に打ち込む事ができた」と語る加藤さんは現在62歳。これからも食文化に革命を起こそうと、意欲的に研究に取り組んでいます。

再生にはQuickTimeが必要です。

加藤進さん
左から代表取締役 加藤進さん、娘さんの早苗さん

素人からのパン作りがスタート

「自分で何か商売をしたい」と思い、脱サラし、パン屋に転身したのは38歳の時だった。

開店から3、4ヶ月が過ぎた頃、試行錯誤の末作り上げたかぼちゃパイが大ヒット。売上げの半分はかぼちゃパイが占めるようになった。 クチコミでお客さんが増え、1日1,000個以上売る店へと急成長した。 加藤さんは、「ヒット商品を持てたからこそ素人で始めた店でも閉店せずに来れた。」と振り返る。

その後、大型リゾートホテルのパンの製造を任され、毎朝2時から大量のパンを作るパン職人になっていた。

パンを通じていろんな方と出会いました

幼少の頃の苦しい食糧難の記憶があるからこそ

パン職人を志してから20年経ったある日、新聞の片隅の小さな記事が加藤さんの目に留まった。そこには、「国内で余っている米を有効に使うため米を粉にしてパンを作る」という記事が書かれていた。 その内容に加藤さんは衝撃を受けた。

“米が余っている”
加藤さんは昭和18年生まれ、遠軽町生田原の出身だ。 幼少の頃は、現在の様に米自体の品種改良もされておらず、気候的な事から生田原で米が穫れる事など殆どなかった。 戦中、戦後は食糧難に苦しんだ。

しかし、現在日本国内の米は大量に余っている。毎年20万トンの米が消費しきれず加工用となる。 約10万トンは味噌、醤油、などに加工される。残りは家畜の餌として使われる。

パン職人として“米粉のパン”に興味が湧き、早速、問い合せ先の新潟に電話をし、粉を取り寄せた。 しかし、その粉は米100%ではなく、小麦から抽出したグルテンが含まれていた。米だけではどうしても膨らまず、美味しいパンが出来ないのだ。

「それなら私が研究して米100%の米粉でパンを作るしかない。」

新聞の片隅に載っていた小さな記事、その記事が当時58歳の加藤さんを新たなスタートラインに立たせた。

世界には食糧難の地域があると言うのに
「もったいない」事はしたくないね

運命の瞬間 念願叶った想い

しかし、パン職人を志した時以上に、苦労の日々が続いた。 それでも自らの可能性を信じ、米粉の開発に資金と時間を費やした。 原理上、小麦から抽出されるグルテンを使わずにパンを作る事は不可能だと認識されていた。 「無理に決まっている」とあざけりの対象となることもしばしばあったが、加藤さんは不眠不休で、来る日も来る日も研究に明け暮れた。 何度も失敗を繰り返したが、その度少しずつ、小麦のグルテンの分量を減らす事に成功して行った。

こうして試作を重ねるうちに、意外にもアレルギー専門医から、
「小麦アレルギーの人達のために、小麦を含まない食べ物をぜひ開発して欲しい」と相談を受けた。

時に、小麦アレルギーを持つ人は、小麦を含む食物全てを米で作って欲しいと考えていた。学校給食でパンが食べられずいじめの対象になる場合もある。 切実に米100%のパンを待ち望んでいた。

加藤さんはパンだけでなく、麺やお菓子にも対象を広げ、更に研究にのめり込んだ。

そして研究の末、遂に米粉100%のパンが完成した。小麦アレルギーの子供に食べてもらってもアレルギー反応は出ない。 念願が叶った瞬間だった。店頭にそのパンを並べると、小麦アレルギーの子供を持つお客さんが次々と購入して行った。

米100%のパンは、もちもちとした食感で、噛みしめると、くせの無いほんのり甘い米の味。 小麦と比べても遜色ない程の美味しさである。 また、この米粉を使って、うどんを作れば米の味がつゆと良く合うコシのあるうどんになる。そばのつなぎにすれば小麦より少量で済み、そば本来の風味が引きたつ。 天ぷらやフライに使うと、揚げたてはもちろん、冷めてもカリッとしている。 米粉には、米の持つ新しいおいしさを生み出す力があった。

時間を置いてもカリッとしている。
米粉を使うと魔法のようだ。

生産農家の方にぜひ食べてもらいたい

不可能と言われていた“米粉のパン”開発の成功について加藤さんはこう語る。
「今まで粉を知り尽くす人間が米粉を開発した事が無かった。私は“パン屋”だったから出来たんです。」
長年粉を触り続けた加藤さんは、手に取れば細かい一粒の大きさや形まで分かるという。

加藤さんの開発した技術は多くの人々から注目を浴び、現在も米粉を使った新商品が開発され続けている。 米粉は様々な加工品に姿を変え、米の消費拡大、日本の食料自給率の向上に繋がっている。

そして、加藤さんの想いは、消費者だけではなく米の生産者にも向けられている。

「ぜひ、農家さんに食べてもらいたい。そして自分達の作った米はこんなにも素晴らしいんだと再認識してほしい。」

米粉のパンは、正に食の革命を巻き起こした。 そして、この成功事例は、他の食物を粉にする事に応用出来るかもしれない。 それは、世界の食料難すら解決するという可能性を秘めた新たな挑戦だ。

加藤さんの研究は終わる事なく、今も尚続いている。

うどん委託製造元“八幸食品”
つゆ製造元は“タンゼン”

株式会社 加藤粉体技術研究所

〒047-0261
北海道小樽市銭函3丁目522番地4
Tel 0134-61-2520
Fax 0134-61-2521
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